笑ゥせぇるすまん 

初期アニメのあらすじ一覧

【第5話】47階からの眺め


<今回のお客様>
学生:憂木守(20)

 

<あらすじ>
何か面白いことが無いかと探す憂木は、展望台があるビルの47階まで上がることにした。

47階からといっても大して面白いことが無いとがっかりする憂木だったが、となりの望遠鏡を眺めていたある男(喪黒)が突然大声を出してエレベーターまで走って行くのに驚き、思わず何事かとその望遠鏡をのぞき込む。

 

喪黒の様子を探索していると、喪黒が地上へ現れ、大金が入ったバックを手にしたのを発見したものの、そこでお金が切れて続きがが見れなくなってしまう。
それを悔しがり、慌ててお金をいれて望遠鏡をのぞき込む憂木だったが、すでに喪黒はいなかった。がっかりすると、後ろから男に声をかけられ、驚く憂木。

それが先ほどの喪黒だと分かると、大金を持ち逃げする気かと憂木がとがめるが、喪黒はその大金が入った鞄は自分のものであり、しかも新聞紙で作ったものだと憂木に見せるのだった。

ちょっといたずらをしてみただけと喪黒は笑うが、47階の長めは無防備な人々に暮らしが見れるからスリルがあるだろうと憂木をそそのかす。

 

そして、望遠鏡から覗いたあるマンションの女性に心を奪われる憂木に、喪黒は、その女性はウライチカコといい、西日マンションというマンション名と澄んでいる部屋の番号まで当てるのだった。

どうしてそこまで知っているのかと尋ねる憂木に、喪黒は毎日ここに通ううちにマンションの人間に親しみを覚え、マンションの住人の素性を調べたのだという。
私立探偵かと疑う憂木に、喪黒はセールスマンだと名乗る。まだ若いのに世の中がちっともつまらない顔をしており、そんな人間に人生の興味を呼び覚まさせる生きがいをセールスさせるという仕事をしていると言った。それを聞いた憂木は望遠鏡のセールスマンと疑い、喪黒を退ける。

 

憂木は展望台を去り、望遠鏡から覗いたマンションに足を運んでみるが、結局望遠鏡から出ないと姿が見えないと諦める。
部屋にかえり、ぼんやりと天井を眺める憂木は、彼女のことが忘れられずにその夜、結局展望台までやってきてしまうのだった。
そして彼女の顔を眺め、ニヤニヤとしているところに再び現れる喪黒福造。

 

喪黒に、憂木は彼女に一目惚れしたと見透かされ、慌てるが、喪黒が彼女の顔を見えるようにしてあげるから望遠鏡を覗いていなさいと言われ、しばらくすると本当に彼女が窓から顔を覗かせたので、驚いてしまう。
一体どうやってやったのかと言う憂木に、公衆電話から、ウライにあなたの大ファンなのですと告げたという。あなたの顔をみたいばかりに向かいのホテルに部屋を取ってあり、ちょっとだけでも顔を見せて欲しいとお願いしたのだという。
若い女性はロマンティックな演出を好むし、彼女もかなりあなたを意識しはじめたという喪黒だったが、料金が切れて望遠鏡から彼女の姿が見れなくなるとまるでアイドルの写真を眺めているのと同じだと言って憤慨して立ち去ってしまう。

 

しかし、また部屋でつまらない生活を送るのが嫌になり、結局また翌日展望台で彼女を眺める憂木。
喪黒は憂木の前に再び現れ、ウライはあなたが来るのを待っているから、思い切って突撃しなさいと指を突きつけられ、ドーンとされるのだった。
喪黒にドーンされて「突撃だ!」と意気込む憂木は、早速展望台を下りて西日マンションの彼女の部屋に乗り込む。

 

喪黒は当たってくだけろと励ます反面で、公衆電話から「組長」に電話をかけた。
実はウライは暴力団関係の女性だったのだ。組の連中がウライの部屋に現れ、結局憂木はボコボコにされて追い出され、恋心は粉々にくだけ散ってしまう。

 

上から見ると美しい町並みも、下りてみればただの騒がしい街であり、あの青年は展望台から下界の世界を眺めるだけで満足していれば良かったのに、と言って去って行く喪黒だった。

第4話「化けた男」

<今回のお客様>
サラリーマン:磯部錦一(36)

 

<あらすじ>

磯部錦一は妻と幼い娘を抱えたサラリーマン。ある朝、磯部が妻と娘に見送られて家を出たところにたまたま喪黒福造が通りかかる。

 

磯部は最寄りの駅で雑誌を買い、行きの満員電車の中、忘年会に関する特集(バニーガールが出てくる)を読んでいた。それを後ろから見る喪黒福造。喪黒は磯部をターゲットに決め、行動をマークすることにした。

磯部は帰りの電車の中でも同じ雑誌を読み、今度は「夜のプレイ」というページを読んでいたが、喪黒に見られていることに気づき、慌てて違うページへと変えるのだった。

 

次の日、磯部はいつものように雑誌を買おうとしているところで喪黒福造に「よく会いますね」と声をかけられるが、不審に思い、急いでその場を立ち去る。
用心深い磯部は帰りの電車の中も喪黒が居ないか警戒し、改札を出ても喪黒が居ないことにホッとするが、油断した瞬間、目の前に喪黒福造が現れ、驚く。
さらに、一杯付き合ってくれないかと魔の巣へ誘われ、何とか断ろうとする磯部だが、半ば強引に酒に付き合わされる羽目に。

 

そして魔の巣で早々に喪黒福造から、あなたの名前は磯部錦一だということを当てられ、自分はセールスマンであると言われた磯部は、自分に何を売りつける気だとくってかかる。
しかし喪黒はそんな磯部を意に介さず、「あなたにはちょっとしたアバンチュールが必要なのです」と告げる。それを否定する磯部だが、喪黒には一見満ち足りた生活を送っている磯部は本当は心からは満たされておらず、心の底でアバンチュールを欲しているが、自分でアバンチュールを起こす勇気も無ないため雑誌のマル秘記事を読んで欲求不満を発散させているのだと指摘する。

それを聞いてくだらない、と退散しようとする磯部だったが、電車で痴漢を働いたエリートサラリーマンの話に喪黒にされると、心が揺れ動き、結局喪黒の話に乗ることに。

提案されたのは、磯部錦一ではない格好に変装してアバンチュールを楽しむことだった。最初は変装に戸惑うも、思い切ってキャバレーに入り、お酒を飲んで楽しむと、段々気が大きくなっていく。


次の日も妻と娘に嘘をつき、夜遊びを楽しむ磯部。立ちションもいとわず、猫や通行人に絡むほどにハイド氏になったような気分になった磯部だったが、偶然絡んだ人間が喪黒だとわかり、再び魔の巣へ連れて行かれる。
毎日が刺激的で楽しいと喪黒に感謝すると、喪黒から磯部だけでなくもう一人の人間、つまり一人で二人の生活を送ってみないかとそそのかされる。

 

すでに田辺順吉という名前でアパートを借りており、そこではその変装した姿で「田辺順吉」として生きていくことができると告げられ、ドーンされる。
ドーンされた磯部は、喪黒に紹介されたアパートへ向かう。田辺順吉と書かれた表札を開けると、大勢の子どもと妻と思わしき女がいた。
そこはまぎれもない田辺順吉の家だった。最初は戸惑うも、妙に色っぽい妻と一夜を共にし、とうとう磯部錦一としての生活を放棄し、田辺順吉になったのだった。

 

最後、磯部錦一の妻と娘が、いつまでも帰らない磯部を心配して玄関に立ち尽くしているところを再び喪黒福造が通りかかり、
「磯部さんは田辺順吉に飽きたらまた帰ってくるでしょう。私がこの家を通らなければ、この家族はいつまでも平和で穏やかな生活を暮らせていたのに…」
と呟いて去って行くのだった。

 

 

第3話「ともだち屋」

<今回のお客様>

サラリーマン:青井達夫(22)

 

<あらすじ>
仕事が終わり、それぞれの社員がデートや麻雀などに行こうと席を立つ。

麻雀のメンバーが足りないという同僚社員に、自分で良ければと名乗りを上げる青井だが、同僚から断られ、落ち込んでしまう。


おまけに上司から「仕事がないならさっさと帰れ」とまで言われ、予定が無いまま渋々家に帰る青井。

アパートで観葉植物や金魚の世話をしながらカップラーメンをすする青井。楽しそうにアフターファイブを楽しんでいるだろう同僚を想像して悔しがる青井。


そんなところで玄関に突然現れる喪黒。何屋かと問う青木に、喪黒は「ともだち屋」だと名乗る。

喪黒は沢山のビルが建つのに比例して孤独な人が増えており、こうした人に夢と希望を与える素敵な友達を紹介するのが仕事だという。

 

そうして青木は若い女性「白木純子(20)」を紹介する。紹介するだけであとは二人の自由意志を尊重すると言う。(喪黒を挟まずに実際にあっても良い)
ただ、実際に会うまでにはよく吟味しなければならず、その方法としてテープによってお互いの気持ちを確かめるのだという。
具体的にはテープに白木の声が吹き込まれており、それに合わせて青木が白木の質問に答えるという形式だった。
気に入らなければ別の女性を紹介し、お金も、消費税も一円ももらわないという。

 

翌日、屋上でテープを聴いているところを「青木が女性と逢い引きしている」と同僚の間で噂になり、盗み聞きしにいく同僚。
しかしうっかりくしゃみした同僚は青木に気付かれ、青木はと慌ててテープを持って逃げるのだった。

 

そんなときに再び喪黒福造が応接室に現れる。ぜひ白木に会いたいと願う青木だったが、喪黒は条件として手紙を書くことを挙げる。
さらに青木と白木の二人が並んでいる写真を合成して青木に渡す喪黒。

その晩、喪黒からもらった写真を眺めながらラブレターを書く青木だが、後ろのテレビでは、OLを狙った痴漢が多発しているとニュースで流れる。

 

翌日、上司に報告書の出来を褒められる青木。席を外すと同僚に喪黒が合成した写真をうっかり見られてしまい、隅に置けないやつだとからかわれる。

 

家に帰ると、白木から手紙が届いており、今度の火曜に新宿西口公園で会いたいという手紙が書かれていた。
すっかり白木に浮かれていた青木は、観葉植物や金魚の世話をやめてしまい、観葉植物は枯れ、金魚は死んでしまっていた。

 

翌日公園に向かい、花束を持ってうろうろしていると、白木の呼ぶ声が聞こえる。そのベンチに腰掛け、白木に話しかけると、プレゼントがあると言われ、紙袋を受け取るように言われる。
言われるがまま紙袋を受け取るが、その瞬間ベンチに倒れる白木。心配した白木を青木が起こすと、それは人形だった。
草むらから青木見ていた喪黒福造すかさずがスイッチを押し、痴漢だから助けて!という白木の声が周りに響き渡る。慌てた青木だが、周りにいた人に取り押さえられ、えん罪だと訴えるも受け取った紙袋からは女性物の下着が入っており、決定的証拠として警察官に捕まってしまう。

 

喪黒福造は、そんな青木の姿を見て、これで一躍有名になり、彼はもう孤独じゃ無いないですね、と言って野次馬の群れからそっと去って行くだった。

 

 

第2話「イージー・ドライバー」

<今回のお客様>

サラリーマン:浦成平一(44)

 

<あらすじ>

四吾木教習所に通う浦成はマニュアル車をエンストさせるなど、一向に運転技術が向上しないまま悩んでいた。


一人教習所の草むらに座り、周りの生徒を横目に落ち込んでいたところ、唐突に喪黒福造が現れる。

 

子どものために免許を取ろうと頑張っているのに取れないことを嘆く浦成に、喪黒は個人教授の顧客を探していると言う。
ドライバーに必要なのは、「人間への愛情と思いやり」であり、親切丁寧、優しさをモットーに個人教授をしたい、そして浦成を初めての顧客にしたいと逆指名。
すでに教習所に料金を支払っていることを理由に渋る浦成に、喪黒は無料であると言って、半ば強引にドーン!!する。

 

空き地で待っているといきなりオートマチック車の高級外車に乗った喪黒が現れ、驚く浦成。
喪黒は運転免許も持っていない浦成にハンドルを握らせ、アクセルを踏ませる。
早速パイプに車をぶつけるが、喪黒は保健には一エイルから大丈夫だと言う。
更に左折に失敗して車に傷をつけ慌てる浦成に、喪黒を石を持ち、車にさらに大きな傷を付け「大きな傷を付けないと保険が下りないから」という。

 

「いくら高くても物は物。物をあまり大事にしたり執着しすぎると人を軽く見るもととなるのです」という喪黒。

夜になると、車はあっという間にボロボロに。落ち込む浦成に、喪黒は「そのちょうしなら1週間で合格できるでしょう」という。

 

次の日の夜、新しい車に乗り、実際の路地でS字やクランクに路地で挑戦するが、浦成の技術は相変わらず下手で、車はどんどんとボコボコになっていく。
ついに行き止まりにぶつかり、廃車になってしまう。

 

その後、魔の巣で喪黒に二台も車を壊したのに、なぜ自分にここまで優しくするのか尋ねる浦成。
偽善的な報酬は求めず、感謝することが目的なのだという喪黒。
その後ベロンベロンになった浦成は、今ならすいすい運転できるだろうと酔っ払いながら言う。

 

そんな浦成の言葉を受け、喪黒が持ってきたのは大型のトラック。しかも、それは他人から盗んだ車だった。
酔っ払った浦成は勢いよく車を運転し、他人の車をも跳ね飛ばしてはどんどんスピードを上げて走らせていく。
パトカーが追いかけてくるも無視、赤信号も無視、しかし、ついには歩道に乗り上げ、他人の家を横切り、最後はラブホテルに突っ込んで警察官に捕まる。

 

助手席に喪黒はおらず、「これであの人は一通り運転をマスターしたことでしょう。それにしても、一体いくつ交通違反が重なったのでしょう、楽しみですねぇ」と行って立ち去るのだった。

第1話「たのもしい顔」

<今回のお客様>

頼母 雄介(41)

<あらすじ>

頼母は、その「頼もしい顔」から、家族から部下、バーのお姉さんまで様々な人から頼りにされていた。

ある日、いつものように仕事終わりに部下とバーへ行き、甘えてくる店員のお姉さんを横に強いお酒を何杯もあおる頼母。

帰るときも顔色一つ変えず、何食わぬ頼もしい顔で店を出ていく頼母だが、そのバーの入り口付近で喪黒福造の陰が写る。実は喪黒福造はずっと店の中で頼母を見ていたのだった。

店を出た頼母は、急に気分が悪くなり、倒れそうになる。それをすかさず助ける喪黒福造。(このあたりはターゲットに目をつけたらストーカーのようにつきまとう喪黒らしさが出てます)

公園で喪黒福造に介抱を受けた頼母は、酔った勢いで自分の胸の内を打ち明ける。

本当は無理して強いお酒をあおっていたことや、子供の頃から、その頼もしい顔のせいで皆に期待され、その期待に応えようと頑張ってきたこと、本当は自分だって甘えたい、ということ。

すると喪黒は、紹介料はタダで、甘えられるいい人を紹介してあげるということを頼母に伝える。

その場はそのまま何事もなく終わり、翌日、いつも通り朝から子供や妻、同居する母親から頼りにされる頼母。家を出るときに妻から「上着に喪黒福造の名刺が入っていた」と名刺を手渡されるが、頼母は昨日のことを良く覚えておらず、捨ててくれと頼むのだった。

いつものように会社で仕事をしていると、女性社員から「喪黒福造が来ている」と告げられ、応接室で再び顔を合わせる二人だが、頼母は昨日のことを覚えていないためか、甘えられる人が見つかったという喪黒の誘いを軽くあしらい、忙しいからと強い口調で追い返す。

そんな頼母に、「甘えたくなったら私の名刺の裏に書いてある住所まで来てください」と告げて喪黒は帰っていった。

仕事に戻るやいなや、妻から義母にいじめられてつらいという電話や、部下の過失をどうにかしてくれないかと次々自分を頼りにしてくる家族や社員にペースを乱される。

自分ばかり頼りにされる状況に、ついて頼母も「いい加減にしてくれ!」と怒鳴ってしまう。

ストレスを発散するためにバーに行き、強いお酒を沢山あおる頼母だが、バーのお姉さんまで自分に甘えてくる始末。

とうとう全てのことに嫌気がさし、強いお酒のせいか頭がふらふらする頼母は、不意に喪黒福造の言葉を思い出し、名刺裏のアパートへと向かう。そこには、まるで頼母が来ることを予想していたかのように喪黒福造がたたずんでいた。

喪黒福造に案内されるがまま、アパートの一室の扉を開けると、そこには金色の光を放つ菩薩像がたたずんでいた。優しい中年女性の声で、甘えることを許された頼母は、雲の上にいるような心地になるのだった。

そこで場面は変わり、タクシーで移動する喪黒福造・頼母の妻と子供3人のシーンに。喪黒に「あなたの夫は深刻な病気にかかって療養している」といわれ、思い当たる節がない妻は不審に思う。

やがて妻と子供がぼろぼろのアパートの前に連れて行かれると、喪黒福造は仕事があるからと二人を残して去っていった。

残された二人は、こんなところに夫がいるのかと思いつつ、案内された部屋を開けると、そこには裸で抱き合うふくよかな中年女性と、頼母の姿があった。しかも頼母は、その中年女性の乳首に夢中で吸い付き、まるで赤子のように甘えていたのだった。

最後、喪黒は「妻は夫の気持ちを理解できるのか、嫌悪の情を抱くのか、頼母家はどうなるのでしょう」と試すような発言をして終わる。

 

<一言感想>

幼少の頃にみてトラウマになった笑ゥせぇるすまんですが、初期の喪黒福造の声はとにかく不気味です。

喪黒福造は、一回ターゲットにしたお客様はストーカーのようにつきまとい、手中に落ちるまでありとあらゆる手段を使って落とそうとしてきます。

初回から、偶然を装って介抱したかと思えば、頼母も勤務先を明かしていないはずなのに、アポ無しで会社に押しかけてきたり。悪徳業者もびっくりな喪黒福造。まさに営業マンの鏡です。

笑ゥせぇるすまんの登場人物はだいたい自分に甘い人が多いのですが、頼母の場合は少しかわいそうな気もしますね。結局見栄を張り続けた自分が悪いところもありますが。

最終的に自分の欲望に負けてしまう人間の弱さは、今も昔も変わらない永遠のテーマですね。