笑ゥせぇるすまん 

初期アニメのあらすじ一覧

第1話「たのもしい顔」

<今回のお客様>

頼母 雄介(41)

<あらすじ>

頼母は、その「頼もしい顔」から、家族から部下、バーのお姉さんまで様々な人から頼りにされていた。

ある日、いつものように仕事終わりに部下とバーへ行き、甘えてくる店員のお姉さんを横に強いお酒を何杯もあおる頼母。

帰るときも顔色一つ変えず、何食わぬ頼もしい顔で店を出ていく頼母だが、そのバーの入り口付近で喪黒福造の陰が写る。実は喪黒福造はずっと店の中で頼母を見ていたのだった。

店を出た頼母は、急に気分が悪くなり、倒れそうになる。それをすかさず助ける喪黒福造。(このあたりはターゲットに目をつけたらストーカーのようにつきまとう喪黒らしさが出てます)

公園で喪黒福造に介抱を受けた頼母は、酔った勢いで自分の胸の内を打ち明ける。

本当は無理して強いお酒をあおっていたことや、子供の頃から、その頼もしい顔のせいで皆に期待され、その期待に応えようと頑張ってきたこと、本当は自分だって甘えたい、ということ。

すると喪黒は、紹介料はタダで、甘えられるいい人を紹介してあげるということを頼母に伝える。

その場はそのまま何事もなく終わり、翌日、いつも通り朝から子供や妻、同居する母親から頼りにされる頼母。家を出るときに妻から「上着に喪黒福造の名刺が入っていた」と名刺を手渡されるが、頼母は昨日のことを良く覚えておらず、捨ててくれと頼むのだった。

いつものように会社で仕事をしていると、女性社員から「喪黒福造が来ている」と告げられ、応接室で再び顔を合わせる二人だが、頼母は昨日のことを覚えていないためか、甘えられる人が見つかったという喪黒の誘いを軽くあしらい、忙しいからと強い口調で追い返す。

そんな頼母に、「甘えたくなったら私の名刺の裏に書いてある住所まで来てください」と告げて喪黒は帰っていった。

仕事に戻るやいなや、妻から義母にいじめられてつらいという電話や、部下の過失をどうにかしてくれないかと次々自分を頼りにしてくる家族や社員にペースを乱される。

自分ばかり頼りにされる状況に、ついて頼母も「いい加減にしてくれ!」と怒鳴ってしまう。

ストレスを発散するためにバーに行き、強いお酒を沢山あおる頼母だが、バーのお姉さんまで自分に甘えてくる始末。

とうとう全てのことに嫌気がさし、強いお酒のせいか頭がふらふらする頼母は、不意に喪黒福造の言葉を思い出し、名刺裏のアパートへと向かう。そこには、まるで頼母が来ることを予想していたかのように喪黒福造がたたずんでいた。

喪黒福造に案内されるがまま、アパートの一室の扉を開けると、そこには金色の光を放つ菩薩像がたたずんでいた。優しい中年女性の声で、甘えることを許された頼母は、雲の上にいるような心地になるのだった。

そこで場面は変わり、タクシーで移動する喪黒福造・頼母の妻と子供3人のシーンに。喪黒に「あなたの夫は深刻な病気にかかって療養している」といわれ、思い当たる節がない妻は不審に思う。

やがて妻と子供がぼろぼろのアパートの前に連れて行かれると、喪黒福造は仕事があるからと二人を残して去っていった。

残された二人は、こんなところに夫がいるのかと思いつつ、案内された部屋を開けると、そこには裸で抱き合うふくよかな中年女性と、頼母の姿があった。しかも頼母は、その中年女性の乳首に夢中で吸い付き、まるで赤子のように甘えていたのだった。

最後、喪黒は「妻は夫の気持ちを理解できるのか、嫌悪の情を抱くのか、頼母家はどうなるのでしょう」と試すような発言をして終わる。

 

<一言感想>

幼少の頃にみてトラウマになった笑ゥせぇるすまんですが、初期の喪黒福造の声はとにかく不気味です。

喪黒福造は、一回ターゲットにしたお客様はストーカーのようにつきまとい、手中に落ちるまでありとあらゆる手段を使って落とそうとしてきます。

初回から、偶然を装って介抱したかと思えば、頼母も勤務先を明かしていないはずなのに、アポ無しで会社に押しかけてきたり。悪徳業者もびっくりな喪黒福造。まさに営業マンの鏡です。

笑ゥせぇるすまんの登場人物はだいたい自分に甘い人が多いのですが、頼母の場合は少しかわいそうな気もしますね。結局見栄を張り続けた自分が悪いところもありますが。

最終的に自分の欲望に負けてしまう人間の弱さは、今も昔も変わらない永遠のテーマですね。